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ヘリコプター
ヘリコプター(英:Helicopter、(口語)Chopper)は、エンジンの力で機体上部にある細長いローターと呼ばれる回転翼で揚力を発生し飛行する航空機の一種であり、回転翼機に分類される。
耐空性審査要領第1部「定義」によれば、「重要な揚力を1個以上の回転翼から得る回転翼航空機の1つである」と定義されている。
特徴としては、空中で停止した状態のホバリングや、ホバリング状態から垂直、水平方向にも運動が可能なため、狭い場所でも離着陸でき複雑な運動が可能である。 このため以下のように利用される用途が広いのも大きな特徴である。
日本語では「ヘリ」や「ヘリコ」などとも呼ばれ、ヘリコプターの名前はギリシャ語の螺旋(helico-)と翼(pteron)に由来している。
ヘリコプターはローターの迎え角(ピッチ角)と回転面の傾きを調整することによって、非常に複雑な運動が可能である。 例えば、垂直上昇や垂直降下、空中停止(ホバリング)のほか、機体の向きを保ちながら真横や後ろに進む事もできる。 また後述のローターヘッドの形式により、宙返りなどの曲技飛行ができる機体もある。 (MD500、BK117、Bo 105など)
このようにヘリコプターの特徴は、狭い場所や複雑な地形での活動に向いている。 ラジコン玩具も、電子ジャイロの小型化、高性能化により複雑な姿勢制御が容易となった。 結果、簡単に少ない空間で飛ばせる事から、ホビーとしての人気も高い。 また自動制御のロボットヘリも観測や農薬散布用などに実用化されている。
しかし、翼の固定された航空機(固定翼機、飛行機)に比べると、一般に速度が遅く、燃費も悪く航続距離も短い。 また、アメリカではヘリコプターの騒音が社会問題になっている。 この点を改善しようという試みが、ティルトローター機やティルトウィング機である。

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歴史
ヘリコプターの研究は遠く紀元前の中国の竹トンボに始まって、15世紀、レオナルド・ダ・ヴィンチのスケッチ(このスケッチを基にしたマークが、かつて全日空機の垂直尾翼に描かれていた)、さらには18〜19世紀のジョージ・ケイレイらの模型などと進められてきたが、実際パイロットを乗せローターを使って地上を離れたのは20世紀になってからの事である(かのトーマス・エジソンも燃焼の反動を利用したヘリコプターを研究したが、爆発事故が発生したため(負傷者なし)、研究を打ち切っている)。
固定翼機が登場し、ヘリコプターが実用化されるまでの間に、オートジャイロが現れ、回転翼の挙動に関する空気力学や機械工学的な知見が得られた。
1907年フランスのポール・コルニュ(Paul Cornu)が約2mの高さで20秒間のホバリングに成功した。 実際に、きちんと飛行できるヘリコプターが最初に飛行したのは、ハインリッヒ・フォッケにより1937年にベルリンで開発されたFocke-Wulf Fw61である。 アントン・フレットナーもヘリコプターの開発に貢献する。
ロシアから米国へ亡命したイゴーリ・シコルスキーもヘリコプターのパイオニアの一人で単ローター、尾部ローター付という、今日の反トルク・テール・ローター形式の基礎となった、VS-300を1939年に初飛行させた。 これの発展型が第二次世界大戦末期に米軍で用いられたといわれる。
実際に回転翼機で垂直上昇/垂直着陸/空中静止(ホバリング)を得るには重量あたりの出力が小さいレシプロエンジンでは限界があり、軽量で高出力なガスタービンエンジンの採用を待たねばならない。 飛行機の発明者オーヴィル・ライトも1936年の書簡中でヘリコプターは実用的でないとしている。

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軍事目的では、英領マレー(現マレーシア)での対ゲリラ戦や朝鮮戦争から利用されているが、本格的な運用としてはベトナム戦争が初めてである。
1951年12月11日、チャールズ・カマンがカマン K-225にボーイング502ターボシャフトエンジンを搭載した。 従来のピストン式エンジンに比べて大幅に向上した。 1951年、カマンのK-225は世界初のタービンエンジン式ヘリコプターになった。 この機体は現在、スミソニアン博物館に保存されている。 2年後、1954年3月26日、改良型の海軍のHTK-1は飛行した初の双発タービンヘリコプターになった。 しかしながら、シュド・アビアシオンのシュド・エスト SE.3130がタービンエンジンを搭載した初の量産機になった。 1955年にフランスのアルウェットSE3130(Alouette II)が世界最初に量産されたガスタービンエンジンを搭載したヘリとして登場し、いくつかの世界記録を塗り替えた。 これ以降、ジェット・ヘリというヘリコプターの一分野が作られてゆく。
日本では1988年6月20日?1991年10月18日まで、シティエアリンクが羽田と成田を結ぶ路線を運航していたが、一般の飛行機に比べ騒音や運航コストが高く、航空路線としては不採算なため廃止となった。
現在では東邦航空により八丈島-御蔵島-三宅島-伊豆大島-利島の往復と、八丈島-青ヶ島の往復で東京愛らんどシャトルと名付けられた定期航路が運航されている。 これが現在のところ日本で唯一の定期乗合ヘリコプター航路である。
香港とマカオではこの2点間を結ぶヘリコプターの定期航路(香港エクスプレス航空)があり、かつてこれは世界で唯一のヘリコプターによる国際線の定期航路であったが、どちらも中国に返還されたため、現在では(出入境にパスポートが必要ではあるものの)国内便として運航されている。 その他、利用客の多い定期路線としてはモナコ-ニース(フランス)間やバンクーバー-ビクトリア間などがある。

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出会い系を遊覧してみるといいのかもしれない。
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