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ローターヘッドによる分類
全関節型(Fully Articulated Rotor) :
フラッピングヒンジ、ドラッグヒンジ、フェザリングヒンジによって3軸全ての方向への動きを可能にしたローターヘッド。
半関節型ローター(Semi-Articulated Rotor) :
フラッピングヒンジ、フェザリングヒンジによって2軸方向への動きを可能にしたもの。 ドラッグヒンジはないため、回転面方向での進みや遅れの運動はローターヘッド側ではなく、ブレードのたわみで対応する。 全関節型に比べ、単純な構造となるため、初期のヘリコプターや現在の2枚ブレードのヘリコプターに採用されている。 しかし、マイナスGによる運動制限がある。 これは、強いマイナスGのかかる運動では、ローターヘッドが浮き上がりマストが破壊されるマストバンピングが発生するため。 急激な頭下げ動作や、起伏の激しい山の稜線に沿って飛ぶ運動が、制限されるという大きな欠点もある。
無関節型ローター(Hingeless Rotor) :
フェザリングヒンジによって1軸方向だけの動きを可能にしたもの。 全関節型に比べて構造が簡単であり、非常に運動性能に優れており、固定翼機と変わらない曲技的な飛行も可能である。 ブレードの根元に大きな曲げモーメントがかかるため、複合材料による強靭なブレードの製造技術の完成によって初めて実現出来た。 2008年現在では、無関節型だけに限らず、全関節型や半関節型でも複合材ブレードは一般的になっている。
ベアリングレスローター(Bearingless Rotor) :
ヒンジ類を全く持たず、真の意味での「無関節」である。 通常、ヒンジ部には円滑な動作のためのベアリングが内蔵されるが、機能維持のため潤滑などの定期的なメンテナンスが必要であり、故障のリスクも伴う。 これまでのヒンジに相当する部品は、ハブとブレード翼面の間の「カフ」部分に「ヨーク」と呼ばれる複合材で出来た板バネ機能を持つ部品が柔軟に弾性変形することでヒンジの機能を果たす。 ヨークによって、軽量化と長寿命化、安全性の向上と抗力減少、構造の単純化が実現出来る。

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ツインローター式
2個のローターを持ち、それぞれが逆に回ることにより、ローターのトルクの影響をお互いに打ち消す方式。 配置により次のようなものがある。
同軸反転式
ローターが同軸上に2つあり、互いに反転して回るもの。 全長がメインローターの直径のみで決まる事から、全長が小さくなる上、揚力に関係のないテールローターに出力を割く必要がないという利点がある。 反面、ローターハブと操縦装置が複雑になり。 重量が増加するという不利な点もある。
タンデムローター式
ローターが前後に2つ配置されているヘリコプター。 縦揺れに対する操縦安定性が高く、前後方向の重心移動範囲も広い利点を持ち、ヘリコプターの重量に対してローターが小さくてすむため、構造的にも有利である。 反面、低い前進速度での安定性が低いなどの不利な点がある。
サイドバイサイドローター式
ローターが胴体を挟んで並列に配置されているもの。 横揺れに対するの操縦安定性が高く、ローターが小さく横方向の車輪間距離を大きく取ることができる(従って、地上安定性が良い)。 特に、構造重量を増したり抗力を増すことなしに、固定翼を装備できる利点がある。 反面、ローターを支持する張り出しや、伝動軸による構造重量の増加や機械抵抗が増えるなどの不利な点がある。 → 旧ソ連のMi-12
交差双ローター式
機体直上の近接した位置に2つのローターを持つが、互いに衝突しないよう同調しており、わずかに外側に傾けて取りつけられている。 同調機構から「シンクロプター」とも呼ばれる。 自律安定性に優れ、テールローターで無駄になる動力が無い為効率が高く、操縦特性が左右同じで機体を小さくまとめる事ができるが、ローター取り付け部や伝動装置が複雑になり、重量が増加するなどの、不利な点もある。
チップジェット式
翼端に推進装置を取り付けてローターを回転させることで、反トルクを生じさせないようにするものであるが、騒音が大きい、燃料消費が大きいなどの技術上の問題も抱えておりガスタービンエンジンの一般化によって姿を消した。
ホットサイクル式ローター
各種のガスタービンエンジン等からの抽気そのものや、外気と混合してある程度温度を下げた抽気または排気を、耐熱・耐圧チューブなどでローター先端に導き、そこから噴射してローターを回転させる。
マルチローター式
ローターが3組以上あるもので、タンデムローター式とサイドバイサイド式の利点と、全速度域にわたり静的に安定である利点を持つが、部品数が多くなり、伝動装置が複雑になる事などから実用性に乏しく、現在この形式は用いられていない。

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テールローター
テールローターの型式
ヘリコプターはローターが回転し、揚力を生み出すことで浮遊する。 このとき、機体側がローターを回転させることの反作用として、ローターが機体を逆方向に回転させようとするモーメントが生じる。 これは「反トルク」、カウンタートルク、トルク効果などと呼ばれる。 この反トルクを打ち消すために、以下のような方法が使われている。
テールローター
尾部に備えたローター(テールローター)により横向きの推力を生み出し、その推力によるモーメントで打ち消す。 機体の回転方向と推力の向きの関係により、プッシャータイプ(テールローターの推進力で尾部を押す)とトラクタータイプ(テールローターの推進力で尾部を引っ張る)がある。 この方法は、現在のヘリコプターではもっともよく使われる方式である。
ノーター
ノーター(NOTAR、No tail rotor)ではテールブーム基部のファンにより低圧縮高ボリュームの空気をテールブーム内に送り込む。 この空気の一部を(メインローターが反時計回りの場合)テールブーム右側からテールブームに沿って下方向に噴出させ、テールブームの周りにコアンダ効果を利用した気流の循環を作り、メインローターから吹き下ろされるテールブーム左右の空気流に速度差が生じ、擬似翼型を成型することにより空力的揚力(エアロダイナミクスリフト)を発生させ、反トルクを得る。
またテールブーム後端にはヨーコントロールペダルによりコントロールされるダイレクトジェット噴出口があり、横方向のコントロールに使用される。
ホバリング中のエアロダイナミクスリフトと、ダイレクトジェットによる反トルク効果は50%程度であるが、前進飛行速度が40-95km/mぐらいでは、吹き降ろす風が斜めになるためにブーム側面のサーキュレーション・ジェットは効果を失い、後端からのダイレクト・ジェットだけが有効となる。 ただ、このくらいの速度からは後端の垂直安定版が風を受けることでトルクを打ち消す効果が生じるため、エンジン駆動のファンを弱くして燃費向上に寄与することが出来る[2]。 騒音が少なくなるという利点もある。
ダクテッドファン
垂直尾翼に相当する部分に、複数のファンを埋め込んだダクテッドファンと呼ばれるタイプも存在する。 これは意識的に不等間隔に配列したファンにする事で、各ファンが発生する固有の可聴音を意図的に変更し、各ファンが互いの可聴周波数を相殺するようにして、騒音低減と回転部分に対する接触の危険を低減させたタイプである。 かつては仏アエロスパシアル特許でフェネストロン(商標)と呼ばれていたが、現在は特許期限の20年が過ぎている。

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ダクテッドファン
ダクテッドファンとは、円筒形のダクトやナセルの中にプロペラ状のファンを据え、それを回転させることによって推力を生み出す推進器の一種である。 もともと航空機用に研究されてきたが、ホバークラフトやラジコン飛行機の推進器としてよく採用される。
仕組
ダクテッドファンを装備した実験機であるベル X-22プロペラ状のファンに円筒状の覆い(ダクトまたはナセル)を被せたような構造が特徴であり、推進力を得る基本的な仕組みは通常のプロペラと大差ない。 しかし、この円筒によっていくつかのメリットが発生する。
まず、通常のプロペラ推進では進行方向だけでなくそれと直交する平面内にもプロペラ端から気流が発生しており、これは推力とならないためエネルギー的に損をするばかりか衝撃波(音波)となって騒音の原因にもなっている。 しかし、プロペラの外側を筒で覆ってやればプロペラ端から発生する気流を全て進行方向側に整流してやることができ、エネルギー的に得をする。 同時に、衝撃波の発生を抑えて騒音を減らすこともできる。
円筒状のナセルをうまく使うことでさらなる効果を得られる。 このナセルは空気取入れ口が排出口に比べて広いハの字型の断面をしていることが多いが、このようにしてさらに円筒壁面の断面形状(翼形)を工夫するとナセル自体が進行方向側に揚力を生み出すようになる[1]。 また、ナセルを偏向させることで気流の向きを変え、ある程度の推力偏向能力を持たせることも可能である。
デメリットとしては、ナセルによる抗力が大きく高速化に適さないことが挙げられる。 また、多くの場合エンジンから離れた場所にファンがあり、ギアとシャフトを介した駆動系が必要になるため機構が複雑になりがちである。
なお、共振を防ぐためにファンのブレード数は奇数であることが多い。
利用例
アメリカ海軍のLCAC-1級エア・クッション型揚陸艇(ホバークラフト)。 後部に2基のダクテッドファンが設置されている。 アメリカのベル X-22のようなVTOL機向けに研究されてきたものの実験の域を出ることはあまりなく、有名な実用例としてはホバークラフト用の推進器がある。 ただしラジコン飛行機用の小型推進器としては比較的ポピュラーな存在である。 その場合、電動モーター駆動のファンの後に燃料噴射装置とバーナーを備えた燃焼室を設け、ジェット排気による推力を付与することが多い[2]。
ヘリコプターに代わるダクテッドファン方式のリモコン輸送機なども登場している。 ツインダクテッドファン方式の超小型の乗り物が幾つか登場している。 Springtail Exoskeleton Flying Vehicle (EFV-4A)やDragonfly Unmanned/Manned/Remote Vehicle (UMR-1)などが有名である。 空飛ぶ乗用車として注目されているスカイカーも、ダクテッドファン方式の乗り物の一種である。

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テールローターの危険、その他
テールローターはメインローターと異なり、比較的低い位置にある場合、乗降時に人がテールローターに接触する危険がある。 このためテールブーム(胴体からテールローターへつながる構造部分)の取付け位置を高くし、テールローターが低い位置にならないよう設計された機体もある。 これらの機体は、テールローターに人が接触する危険性が低いので、機体後部に安全に近寄る事ができる。 また、胴体後部に観音開きのドアを取り付ける事で人員や貨物の収容性が良くなり、ストレッチャー(担架)なども収容し易くなるため、ドクターヘリ(EMS)などに好んで使用されている。
ヘリの飛行特性
旋回飛行
前進飛行中に旋回を行う場合、右旋回ならサイクリック(操縦桿)を右へ倒し、機体を「右バンク」させると同時に、右ペダルを踏み込んで機首方向を変えるという操作を行なう。 この時、バンク角に見合った適切なペダル操作を行い、機体が横滑りしないように旋回操作を行う。 これらは、固定翼機と同様である。 また、深いバンク角での旋回を行うと、鉛直方向の揚力が水平飛行時よりも不足し、高度が低下するので、CPレバーを引き、揚力の不足分を補う操作を同時に行う必要がある。
人妻も参加できるのか考える必要があります。
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